ボトックスの疑問に答える
ボトックスの機序と種類について

私がボトックス治療に関して本を英語と日本語で出版しているからだろうか、当クリニックには「ボトックス注射」を希望して多くの外国人、日本人の患者さんが来院する。ボトックスとはボツリヌス菌毒素製剤の商品名ではあるが、世界中で広くこの商品名で呼ばれている。もともとは食中毒などをおこす「毒」なのだが、医療用には1ccあたり何単位というふうに定量化されたものをごく少量使用するので、きわめて安全なものとなっている。
ボツリヌス菌毒素製剤にはA, B, C-alpha, C-beta, D, E, F, Gとタイプの異なる7種類がある。
A型ボツリヌス菌毒素を治療部位に注射すると、これが神経内に入っていき、細胞内の特殊なタンパクに作用して、神経伝達物質(アセチルコリン)が外に出られないようにしてしまう。ボトックスの場合、効果が出るのに48時間程度かかり、4-5ヶ月くらいで徐々にまた効果が薄らいでいく。
美容目的で使われる「ボトックス」はA型ボツリヌス菌毒素の商品名で、アメリカFDA(食品医薬局)ならびに日本の厚生労働省で認可されている。ボトックスは神経を麻痺させて、それが支配する筋肉の動きを弱めることで作用する。通常、注射から数日たって効果が出現し、その後4~6ヶ月持続する。このボトックス治療こそが、アメリカではすべての美容治療の中でもっとも数多く行われている美容治療である。眉間のしわ、額のしわ、目じりのしわなどが一般的な治療部位となっている。
ちなみにボトックスは長期の保存がきかないので、溶液を作ったらすみやかに使用しなければならない。また、A型以外のボツリヌス菌毒素も美容以外の目的(脳性まひ患者の四肢硬直の緩和など)で使用されており、たとえばB型はMyobloc(マイオブロック)という商品名でアメリカで生産されているが、日本では入手困難である。
ボトックスの治療対象
ボトックスは現在、諸外国でさまざまな治療に用いられているが、代表的なものは以下のとおりである。
・顔のしわ(眉間、額(ひたい)、目じり) ・上くちびるの縦じわ ・エラの張り ・わきの多汗症 ・手足の多汗症 ・慢性頭痛、片頭痛 ・顎関節症、歯ぎしり ・ふくらはぎを細くする ・花粉症 ・首、肩のコリ ・テニス肘 ・一部の腰痛 ・ファントム痛 ・一部の胃腸痛
ボトックスによるシワ治療
アメリカ人のナンシーはちょっと気難しい表情の白人女性である。
「ドクター、わたしはボトックスに関心があるのですが、ボトックス治療したと悟られたくないのです。わかります?」とこれまた難しい質問をしてくる。 「それはどういうことですか?」と問いかけると、 「わかりますよね?よくいるじゃないですか。笑った表情してるのに笑ったように見えない人が」。 「なるほど。つまりニコール・キッドマンみたいな顔になりたくないのですね?」というと、 「とんでもないですよ。あんな顔になったらどうしましょ」。
ニコール・キッドマンがボトックスを打っているかどうかはわからないが、たとえ話しとして、ボトックスが効きすぎて表情がなくなったような顔になるのを恐れているのである。 ボトックスが出始めた十年前と異なり、最近では最小の容量で最大の効果を出すように工夫されてきている。
「大丈夫ですよ。ほんの少量の注射で、とりあえずどれくらい効果があるかみてみることもできますので。たぶん表情もある程度は残せるとおもいますよ」と答える。
いまボトックスの治療範囲は顔のしわだけでなく、えらの張りを細くしたり、歯軋り、顎関節症を治したり、わきの多汗症にも応用されている。脳外科や神経内科では片頭痛の治療としても用いられている。
額のしわ
前頭筋という筋肉の収縮によっておこる「おでこ」の横じわの治療には、額全体を広く治療しすぎないことが肝要で、施術前の目の開き方のチェックが大切となる。
アンは40代のオーストラリア人女性。普通に無表情のときでも額に横じわが何本も見える。
「できれば額のしわをすべてなくして欲しいわ」と注文してくる。
ここで前頭ブロックという簡単なテストをしてみる。眉毛のすぐ上に親指をあて押さえながら「目を開けて」と患者に問いかける。このとき目が開きにくい場合、その患者はおでこの筋肉(前頭筋)を用いて目を開けていることがわかる。こういう患者の前頭筋を麻痺させてしまうと、後に目が開きにくくなるいというクレームになってしまう。
「アン、おでこ全体に注射すると眉毛が下がってしまいそうだから、少なめにして、眉毛を少々上げるようにしましょうね」といって治療計画を伝える。
「わかったわ、でも私、痛みに弱いので痛くしないでくれる?」と聞いてくる。
欧米人は往々にして日本人よりも痛みに敏感で、痛みをどう軽減するかも重要になってくる。こういう患者にはブロック麻酔でおでこにいっている感覚神経をあらかじめ少量の麻酔薬で局所麻酔しておくと額がほぼ無痛になる。1週間後、再診に戻ってきてもらう。計画したとおりに、おでこのしわはなくなり、きりっと眉毛の外側3分の1があがっている。
「満足してますか?」「う~ん、いいとは思うけど、眉毛が少し上がりすぎかな?」 「もう少し待ちましょう、効果はやや穏やかになってくると思いますよ」。
ボトックスの効果は1週間後あたりで強く出現し、その後やや落ち着くので、あまりあわてて修正しない方がよいこともある。2週間後連絡があり、ちょうどいい感じということであった。
眉間のしわ
アンディーは某国際テレビチャンネルのキャスター。まだ40そこそこのハンサムな男性である。眉間の中央に深いしわが1本あり、その横にも浅いしわが何本か難しい表情をしたときにできる。
「テレビに出ているので急に表情が変わると困るのですが、ほんのちょっとずつしわを目立たなくすることはできますか?」と聞いてくる。
一般にボトックスで眉間のしわを改善する場合、極力最大限の効果を出すように治療している。眉間のしわを作る筋肉は思ったよりも丈夫な筋肉で、少量のボトックスでは十分な効果が出ないことが多い。ただし、アンディーのようにメディアに出ているような患者さんの場合、控えに治療することは良策である。急激な変化も少なく、なによりも副作用の出現を最小限にできるからである。
副作用というのは、ボトックスの眉間への注射で約1~3%の患者さんに、眼瞼下垂という、まぶたがすこし下がってしまう現象が起こることが知られている。他人にも分かってしまう目付きの変化になる。これを予防するために注射後は頭を横にしないなどの方法もあるが、より安全圏内で治療したい場合、眉間のしわを作る皺眉筋に正確に注射する。眉間のしわは縦にできるが、皺眉筋はしわとほぼ直角の横方向に走ることを忘れてはならない。またごく少量ずつ治療するなどの対策をとる。アンディーの場合もそうして治療した。
1週間後「ドック、問題はないよ、でももうちょっとボトックスがいるみたい」といって戻ってきた。 それでよいのである。
目じりのしわ
アメリカではこの部分のしわのことを「Crow’s Feet」つまり「カラスの足跡」と表現する。目の周りをぐるっと取り巻く眼輪筋という表情筋が収縮してできるしわである。ボトックスが美容目的で使われるようになる何年も前より、ボツリヌス菌毒素製剤は、実は眼輪筋がぴくぴくとなる病気に使用されてきた歴史がある。
デーブはアメリカ人ビジネスマン。 「ドック、ぼくのからすの足跡何とかならないかね?」と聞いてくる。 「うーん、微妙だね。男性の場合、カラスの足跡を完全になくすと仕事が減るって事も言われてるしね」と返事する。
これは事実で、男性は女性のように口元で笑わないので、目じりのしわを治療しすぎると後に問題になることがある。つまり笑っているのに目元も、口元も表情に乏しく、人懐っこさが薄れてしまうのである。特に営業職の男性に、目じりのボトックス治療を行う場合要注意である。
そういうわけで、控えめの治療を行うこととなった。逆に女性の場合、一般的に目だけでなく、口元でも表情を作ることができる人が多いので、目じりのしわはしっかり治療して構わない。
下まぶたのしわ
下まぶたの部位にできるしわには2種類ある。ひとつは全体に細かくできる「ちりめんじわ」で、もうひとつは前述の「目じりのしわ」から連続して目の下から頬の方向へできるしわだ。この後者のタイプがボトックスで治療できる。前者の「ちりめんじわ」は、しわとり用のクリームとかレーザーで治療する。
メアリーは白人女性の中でも特に皮膚の薄いタイプで、「目の下のくまとか、しわを治して欲しい」と相談にきた。 診察の結果、いわゆるちりめんじわのタイプで、また「くま」は皮膚が薄くて下の筋肉や血管が透けて見えている状態なので、ボトックスではなくジェネシスというレーザー治療をすすめた。まれに下まぶたのしわでも、表情で変化するタイプのものはボトックスで治療可能なこともある。
上唇のしわ
口の周りのしわ、特に上唇の部分に縦にできる線状のしわは、60代後半以上の人、あるいは入れ歯を使用している女性によくみられる。これは口周囲を円周状に分布する口輪筋という筋肉が収縮して起こるが、男性はひげの存在が縦じわを阻止しているのでできにくい。
恵子さんは60代後半の女性、「上唇のこのしわ何とかして欲しいの」との要望。上唇がうすく、同時にそこに縦じわができている。 「たしかにボトックス注射だけでもある程度きれいになるけれど、上唇が薄いのでヒアルロン酸注射ですこし同時に厚くしますか?」という二つの治療をすすめる。
まずボトックスを注射して、それからヒアルロン酸でくちびるを厚くすることにした。上唇にボトックスを注射する際には、ごく少量を用いること、表層の浅いところにある筋肉だけに注射することがポイントである。深い筋肉に打ちすぎると発声がおかしくなることがある。
上くちびるは麻酔のクリームを塗ってからでも十分痛みは抑えられるが、痛がりな患者さんには上くちびるの感覚を支配する三叉神経の下眼瞼枝を少量の麻酔であらかじめブロック麻酔すると痛みは少なくなる。
首のしわ(縦じわ)
首の中央に縦に走るしわというか「つっぱり」のようなものがある人がいる。白人や皮膚の薄い人には中年から、また日本人でも60歳を過ぎると多々見られる。これは広頸筋といって首の前を縦に走る筋肉が顕著になったもので、フェイスリフトの際などには一緒に切除や縫合したりする。これもボトックス注射である程度は改善する。
ただし首の中央に強くつぱったように縦のラインが見える場合、手術が必要になり、顔のしわ取り手術(フェイスリフト)も同時に実施して、縫合や切開して治療する。ちなみに首の横じわはヒアルロン酸注射、脂肪注入、レーザー治療あるいは手術(ネックリフト)で改善することができる。
ボトックスの副作用
当院の患者さんのなかには場所柄、諸外国の大使館関係者も多い。そのため、治療の結果ちょっとした副作用でも起ころうものなら大変になることがある。
キャロルは某国大使婦人である。多くの人々を招いてのパーティーも多く、眉間のしわが気になるので、早速ボトックス治療することになった。 4日後、電話がなる。
「ドクターいます?左目がなんだか重くてうまく開かないんだけど、どうしたらよいのですか?」
ボトックスを眉間に打っても通常ほとんど問題は起こらない。ただし、前述のように1~3%の確率でまぶたが開きにくくなることがある(眼瞼下垂という)。珍しい副作用だが、ボトックス注射ではよく知られた合併症でもある。しかし大使婦人にとっては大変な問題である。治療方法は点眼薬もあるが数週間は重いまぶたを訴え続ける。
これ以外の副作用も眉毛の下垂、新たな頭痛の発生、一時的な体力の減退などいろいろあるが(既刊の拙書「あなたが変わるボトックス」参照)、一般にはまれである。 しかし、重要なのはこれらの副作用がまれではあるが起こる可能性があることを、ボトックス注射前に説明して、理解してもらう手続、つまりインフォームドコンセント(説明と同意)の徹底である。
ボトックスによる特殊な治療
歯茎を見えなくする
ニコールはとても美人な女性なのだが、笑うと歯茎がくっきり出てしまう、いわゆる英語で言う「Gummy Smile」を有している。
「ドクター、ボトックスでわたしのガミースマイル治せるって聞いたんですけど本当ですか?」 ガミースマイルは以前は歯茎や上唇の組織を操作する手術方法でしか修正できなかった。しかし、現在ではボトックスを少量くちびるを吊り上げる作用のある筋肉に注射することで修正可能となった。
「もちろんその通りだよ。でもどれくらい上くちびるを下ろしたほうがよいか好き嫌いもあるので、少なめの治療からスタートしましょうね」と答えた。
治療自体はごく少量のボトックスを2箇所に、ごく細の針の注射で入れるが、氷で冷やしてから注射するので痛みはほとんどない。効果が出るのに1週間かかるが、結果は上々、にこっとしても歯茎は見えないようになった。半年に一回程度の治療で、効果を持続できる。
えらの張りを少なくする
えらが外に張り出している場合、えらの骨格がそうしている場合と厚い筋肉が原因の場合とがある。裕子さんは検査の結果、えらの筋肉が張っているケースであった。
「先生、とにかくえらの張った感じがいやなので、思いっきり治療していただけますか?」と聞かれた。
えらの筋肉が張っている場合、その筋肉に広範囲にボトックスをかなりの量注射しないと十分な効果が出ないことが多い。
「しっかりと治療してもよいけど、えらの筋肉がえぐれたように細くなるかもしれませんよ。また噛む力が一時的に落ちるかもしれませんよ」と警告してから治療する。
効果が出るのに数週間かかるが、予想したとおりえらの部分がえぐれるように細くなっており心配したが、本人はいたって幸せそうである。
顎関節症とボトックス
みどりさんは、以前からよく口が開きにくかったり、あごの関節に痛みが走るいわゆる顎関節症の患者でもあった。こういう場合、歯科、口腔外科の先生にまず正しい診断をしてもらい、既存のマウスピースなどの治療を行ったうえで、必要があればボトックスを使用することがある。みどりさんはそうしたことを経た上で、えらの筋肉へのボトックス注射を受けた。
「先生、何がいいかって、あごの痛みがまったくなくなってしまいましたよ」と喜んだ様子。「口もかなり楽に開くようになりました」とのこと。効果は半年ほど持続する。
ボトックスと花粉症
欧米のデータ、特にアメリカではここ数年、耳鼻科医などよりの報告があり、鼻の花粉症にボトックスが効果を示す例があるとのこと。また、アメリカのNBCニュースでも取り上げられている。当院でもこれまで花粉症の患者さんへのボトックスの試験的な治療を行って、効果があることを確認している。今後、さらにデータを集めて詳細を報告したい。
への字口を改善する
「先生、わたしの口って笑うと片側の口角が下がって見えません?」 「これってなんとかなりませんか?」と30代の日本人女性が尋ねる。
以前はこういう訴えに対しては「うーん難しいですね」で終わりだったのだが、今はボトックスという選択肢がある。ただしこれは技術的に難易度の高い手技で、口の角をしたに引っ張っている筋肉に注射するのだが、必ずしもうまくいかないことがある。
「治療は可能だと思うけど、成功率は五分五分ですよ」といってから施術に入る。一方で上がりすぎる口角を下げる方法もある。
片頭痛とボトックス
ボトックスは頭痛治療にも効果がある。リンダは外資の出版関係で仕事をしている。
「ドクター。わたしは片頭痛がひどくなると何日も動けないほど症状が重いのです」という。かなり深刻な訴えだ。
片頭痛は症状がひどいと、嘔吐などの重い症状をともない、内服薬も副作用の強いものが多く治療が困難な場合がある。リンダも内服薬がよく効かないということでボトックス治療を試みた。治療は比較的簡単で、眉間の中央から外側にかけて存在する眼窩上神経と滑車上神経の出口めがけて、少量のボトックスを注射するだけである。しわへの治療と異なり、数時間で症状の緩和が見られることが多い。
その日の夜にメールがあり、「ドクター、なんか変ですね。頭痛が軽いだけでなく、感じが今までと違っています。今後が楽しみです」。
1週間後、「本当にずいぶん楽になりました。薬の量も減ったし、助かります」とのこと。
片頭痛は慢性の神経血管性疾患で、全世界人口の数%を占めるといわれている。アメリカでは2800万人の患者が存在し、女性の方が男性より3倍も多いという統計がある。典型的な症状としては、発作が4ないし72時間くらい持続するが、あたまの片方だけに、ずきずきするようなひどい頭痛に、吐き気、嘔吐を伴ったり、痛みのひどいときに音や光によってさらに増悪する傾向がある。またAuraアウラと呼ばれる前兆が文字通り頭痛の前に来ることもあるし、発作後に来ることもあるし、ない場合もある。
これ以外にも疲れやすくなる、集中力が落ちる、視力が落ちる、あくびをする、あるいは顔面蒼白になるなどの症状も見られることがある。片頭痛はいわゆる血管性の頭痛に属し、その原因はもともと頭の血管が拡張しすぎたために起こると信じられている。しかしこれだけではどうしてボトックスが作用するのか説明できないため、さまざまな説が現在出てきている。
どうしてボトックスが頭痛に効くのだろうか? 1つは眉間の筋肉にピンチされた感覚神経の末端がリラックスするためと言う説。 2つ目は痛みの神経の末端に作用して緩和するという説、 そして最後に注射部位から逆行性に脳内の神経に影響を及ぼして痛みをコントロールすると言う説などがある。 しかし本当のメカニズムはよくわかっていない。ただ頭痛持ちの患者さんにとっては朗報で、少量のボトックス治療で6ヶ月間くらい頭痛が押さえられるかもしれないからである。新しい治療選択が生まれたとできたということになる。
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これで疑問がスッキリ解決! ボトックスの疑問についてドクターがお答えします。
ボトックスのQ&A
院長 クレ カツヒロ・ロバート
(Q1) ボトックスは、先生の治療経験によって効果に差が出ると聞きました?当院の治療実績をおしえてください。
(A) ボトックスの経験は、アメリカ在住時にボトックスを最初に始めたグループの一人で、10年以上の経験(延べ2,000人以上)があります。
通常の顔面への施術だけでなく、ボトックスをエラの筋肉、頭痛の治療にも多く使ってきた経験があります。
(Q2) ボトックスによる後遺症としてはどういったことが考えられますか?
(A) ボトックス注射によって顔に左右差が生じることがあります。
これは、施術者のテクニックが低い場合によく起こる事例です。
具体的には、眉毛の形や、額のしわ、あるいは口角の上がり具合などに左右差が生じます。
このような注射による直接的におこる副作用のほかに、全身的なもの、たとえば風邪を引いたような症状、発熱がみられることが希にあります。
また、非常に希ですが、片頭痛の治療をすることで、新たな頭痛を起こす場合が報告されています。
(Q3) ボトックスを何度も繰り返し打っていると、表情が硬直してしまったり、あるいは逆に表情が緩んでしまったりするという後遺症があると聞きましたが本当はどうなのですか?
(A) 何度も治療したことが原因ではなく、一度の治療であっても治療する面積が必要以上に広かったり、不適切であったりすると、そういうことが起こり得ます。
逆に、適切な治療が適切な部位に行われている限りは、何度治療してもそうした問題は起こりがたいという印象を持っています。
(Q4) ボトックスは、やってみないと結果がわからないと聞きました。そのため、結果によっては顔の表情が不自然になるそうですが本当ですか?
(A) ボトックス注射をやる前から大体の治療効果は予測できます。
また、当院では治療効果が不自然になることは非常に稀です。
ただ、そういった可能性を気にされる方には、治療部位を限定して、ごく少量のボトックス治療から始められることを勧めしています。
(Q5) ボトックスを何回か続けて打っていると、その後は打たなくても効果が続くと聞きましたが本当ですか?
(A) 部位によってはあり得ます。
例えば、おでこのしわに治療し続けた場合、長期間追加治療が必要ない方もいらっしゃいます。
ケースバイケースであり得るというのが回答となります。
(Q6) ボトックスの治療薬は、アメリカ製以外に、韓国製、中国製があるそうですが、どこのがいいですか?
(A) ボトックスは商標なので、アメリカ製のものを指します。
他には、A型ボツリヌス菌毒素製剤として、それ以外の国の製品があるようです。
そういった製剤の中には、ブタのタンパク質が混在しており、顕著なアレルギー反応を起こすことがあるもの(中国製)もあるようですので注意は必要かと思います。
もちろん、当院ではアメリカ製の製剤のみ取り扱っております。
(Q7) ボトックスでは、しわ取りだけでなく、顔のリフトアップまで可能と聞きましたが、本当ですか? リストアップは、どういうメカニズムで可能なのですか?
(A) リフトアップという言葉は医学用語にはありませんので、顔面の部分的なリフティング効果という用語に置き換えてお答えします。
例えば、眉毛の外側をキュッと上げたりすることは、ボトックスでよく行われている方法です。
ただ、フェイスリフトという顔面のリフティング手術や、レーザーによるほほの拳上のような効果は期待できないと思います。
(Q8) ボトックスでありえる副作用について全て包み隠さず教えてください。
(A) 風邪を引いたような症状、発熱、またごく稀に頭痛の発症の報告があります。
その他、非常に稀に、アレルギー反応、注射部位のアザ、眉間への注射で瞼(まぶた)が開きにくくなることが1%くらいの頻度で起こります。
(Q9) ボトックスの毒素が局部だけでなく、拡散浸透すると聞きましたが本当ですか? たとえば、顔に打って、歯や歯茎、その他の筋肉に影響があるということはありえますか?
(A) そういうことは、大きな技術的なミスがない限り起こりにくいです。
技術的なミスで、顔の表面の筋肉に打つべきところを深く打ちすぎてしまった場合は、こうした問題は起こりえます。
それ以外の可能性としては、同じA型ボツリヌス菌毒素製材のデイスポートと呼ばれるものがあり、これは注射部位よりも周辺へ広範囲に拡散することがあるといわれています。
(Q10) ボトックスを打ってから3,4ヶ月は避妊が必要というのは本当ですか? その理由はなんですか?
(A) 本当です。
ボトックス製剤は、妊婦に対しての治験を行っていないため、その安全性が確保できないということがその理由です。
ボトックスは、注射してからその作用が3、4か月は持続しますので、その影響がなくなるまでということになるとその間は妊娠を勧められないということになるかと思います。
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●ボトックス適応症例
- 額のしわ
- 眉間のしわ
- 目尻のしわ
- 下まぶたのしわ
- 口周囲のしわ
- 首のしわ(縦じわ)
- わきが
- 多汗症
- エラを細くする
- 顎関節症
- 片頭痛
- ふくらはぎを細くする
- 花粉症
- ガミースマイル(笑うと見える歯茎の改善)
- あごのでこぼこ
- 膀胱・消化管・肛門の緊張緩和
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